NISAのほかに、イデコ(iDeCo)という制度があります。
NISAは自分のタイミングで売却できる投資で、売却益や配当に税金がかかりません。
イデコ(iDeCo)とよく比較されるのは”つみたてNISA”です。
詳しくは、ご一読下さい!
イデコ(iDeCo)とは何でしょうか?
イデコ(iDeCo)とは、個人型確定拠出型年金のことです。
会社の年金は国民年金(1階建て)厚生年金(2階建て)以外に3F建てとなる企業年金というのもあります。
企業年金は厚生年金の上乗せとして存在しますが、数年前のAIJ投資顧問事件で年金消失問題が浮上し、企業年金の運営が苦しいことが知られ次々と解散してしまいました。
実際、ご自身や家族の方の企業年金がなくなり将来に不安を感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
その後、自己責任で年金を運営するスタイルの企業年金が増えました。これが企業型確定拠出年金です。
企業型確定拠出年金についてはこちらのブログありますのでそちらもご覧下さい。
また企業年金だけでなく、会社に勤めていなくとも(自営業・主婦・主夫の方)、
企業年金制度のない会社員の方でも個人的に年金を積み立てる制度ができました。
それが個人型確定拠出年金=iDeCo(individual-type Defined Contribution pension plan)「自分で運用する年金」です。
iDeCoは株や投資信託、保険などの金融商品を積み立てし、基本60歳から受け取れます。運営してる証券会社等により取り扱い商品も違います。
メリットとデメリット
- メリット
税制面にあります。
- 運用収益の受取は退職金の一括受取りか、年金として分割受取りか選べます。
- 通常、投資信託などを売却する場合は運用益の20.315%税金がかかりますが、
- iDeCoならより低い税金、もしくは税金がかかりません。
- 毎年の掛け金は、年末調整や確定申告で所得控除(小規模掛金共済等控除)をうけることができ、住民税や所得税が軽減されます。
- デメリット
- 年金なので60歳以降でないと基本受取ることができません。
- そこがNISAと大きく違います。投資信託等ですので売却したいタイミングを逸してしまう可能性があります。(スイッチングはできます。)
- 投資商品の元本は保証されません。
- ちなみに堅実にされたい場合は定期預金を取り扱っている証券会社もあります。
- 手数料がかかります。加入時と運用費用などです。
- 証券会社によっても違います。
- 主婦・主夫の方は、毎年の所得控除(小規模掛金共済等控除)の税金面でメリットはありません。
- 扶養者(妻)の名義は、生命保険控除などは被扶養者(夫)が支払いしていれば被扶養者(夫)の控除になりますが、iDeCoの場合は被扶養者(夫)の控除にできません。
- 主婦・主夫の方は、個人的にはNISAのがおすすめです。
iDeCo加入対象者により掛金限度額がちがいます。
2017年より加入者の範囲が増えています。掛金限度額の一覧です。
5,000円から1,000円単位で拠出できます。
★1 国民年金基金との合計額が上限です。
★2 事業主掛金の上限額を年額18.6万と規約で定めた場合加入できます。
★3 事業主掛金の上限額を年額42万と規約で定めた場合加入できます。
★ 他の企業年金とは、厚生年金基金、確定給付企業年金などのことです。
税金がどれくらい安くなるのかシミュレーション
例)年収300万・年収500万の場合
*30歳*iDeCo月2万円(5%運用益)*60歳から受取る
★売却した場合
- 月2万×12ケ月×30年=720万 譲渡益36万(5%)=受取額756万
受取り方によって計算方法が違ってきます。受取は一括受給と分割受給を併用もできます。
- 一括受給。退職所得 20年×控除40万+10年×控除70万=1500万 受取額756万-1500万=マイナスで税金がかかりません。
- 分割受給。年金所得 10年分割なら年間75万程度(仮に公的年金は65歳受給とし60歳からiDeCoのみ)控除は60万 75万-60万=15万 他の所得と合算して48万円以下なら税金がかかりません。
国税庁*公的年金等に係る雑所得の速算表
★毎年の所得控除(小規模共済掛金)
- 年収350万、月2万×12=24万
所得税24万×5%と住民税24万×10% 3万6千円も減税されます。30年×3.6万=108万
- 年収500万、月2万×12=24万
所得税24万×10%と住民税24万×10% 4万8千円も減税されます。30年×4.8万=144万
*概算ですが現在の年齢から受給までの60歳までの所得控除額、大きいですよね!
まとめ
iDeCoとNISAの最大に違いは、iDecoは60歳まで解約できないということと所得控除があるということです。
運用商品を売却されたいタイミングがあれば、スイッチング(運用商品の入れ替え)がありますので、
同じ運用商品をずっと持ち続ける必要はないです。
ちなみに配分変更(運用商品の構成割合を変更すること)もありますので活用されるはいかがでしょう。
ただむやみにスイッチングや配分変更もコストがかかったり回数制限がありますので気をつけてください。
私は個人的につみたてNISAの方が気軽でおすすめです。
ただ、何度も申し上げますが、iDeCoの所得控除は大きいです。
ご自身で無理のない金額を決めてiDeCoに加入し、NISAと併用してください。
投資にアレルギーがある方は投資会社によっては定期預金もあるのでこれを機にはじめられてもいいと思います。
銀行の定期預金や保険(保障のあまりないような保険)をかけるよりiDecoの方が断然いいです。
(銀行員や保険外交員の方に怒られそうですが・・。)
しかし、投資商品であるため元本割れする可能性もあります。
たくさんのデータを元に自分のライフプランにあった投資をしてみてください。
厚生労働省*iDeCoの概要
【補足】
- 2022年から改正があります。
- 受給開始期間が60~70歳まで→60歳~75歳まで
- 加入期間が60歳まで→65歳まで
- 企業型確定拠出年金と個人型確定拠出年金の併用について緩和される
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