現在“65歳定年制”で、従業員が65歳までの雇用を希望することができるようになりました。
60歳を過ぎて継続雇用(再雇用)となり減給したという方は要件に当てはまれば、
高年齢雇用継続基本給付金を受給することができます。
高年齢雇用継続基本給付金とは?
給料が減額された方に
給付金が支給される制度です。
申請先は事業主、
または個人が直接申請する場合は、ハローワークとなります。
支給対象月の初日から起算して4ケ月以内が原則、申請期限となっています。
高年齢雇用継続基本給付金を受給できる要件
具体的な要件は下記の通りです。
- 60歳以上65歳未満の雇用保険の被保険者
- 雇用保険の被保険者期間が通算して5年以上の方
- 60歳到達時点と比較して賃金が75%未満の方
この3点に該当する方は、最大で賃金月額15%をうけとれます。
比較となる賃金とは、60歳到達時点の賃金月額と60歳以後の標準報酬月額です。
60歳到達時点の賃金月額は、みなし賃金日額に30を乗じた額です。
60歳以後の標準報酬月額は、健康保険や厚生年金の額の計算の基礎となる額です。
簡単にいうと健康保険の場合、
毎年4月・5月・6月の報酬額平均が標準報酬月額となり9月から翌年の8月までが決定額となっています。
標準報酬月額は58,000円から1,390,000円までの50等級のどれかに当てはまり、
随時改定として2等級以上の賃金の増減があれば変更の申請をする必要があります。
詳しくは会社の担当者にみなし賃金日額や標準報酬月額をお聞きするのが確かです。
60歳以後の標準報酬月額 から
60歳到達時点の賃金月額 を割ってみてください。
75%減より少ないと給付金がうけられます。
もし61%減より少ないのであれば60歳以後の標準報酬月額の15%(最大)が受給額となります。
例)
60歳到達時点の賃金月額 47万
60歳以後の標準報酬月額 28万
60歳以後の標準報酬月額÷60歳到達時点の賃金月額 =0.59
0.59 < 0.61
28万×15%=4万2千円受給されます。
お小遣いが増えるね!
詳しくは、高年齢雇用継続給付支給率・支給額早見表で確認してみてください。
参考*愛知労働局:雇用保険法、高年齢雇用継続給付支給率・支給額早見表
https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/var/rev0/0120/0059/hayamihyou.pdf
申請の手続きはどうすればいい?
申請先は事業主ですが、被保険者本人が自らハローワークへ申請手続きすることもできます。
(提出書類)
- 高年齢雇用継続給付支給申請書
初回申請は、 - 高年齢雇用継続給付受給資格確認票
- 高年齢雇用継続給付支給申請書
- 払渡希望金融機関指定届
(添付書類)
- 雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書
- 支給申請書と賃金証明書の記載内容を確認できる書類
- (賃金台帳、労働者名簿、出勤簿など)及び
- 被保険者の年齢が確認できる書類等(運転免許証か住民票の写し)
参考*ハローワーク/雇用継続給付、高年齢雇用継続給付について
申請は遡れるの?
給付金申請は原則4ケ月ですが、時効は2年ありますので期間内であれば申請できます。
高年齢雇用継続基本給付金の時効は“支給対象月の末日の翌日から起算して2年を経過する日までとなっています。
まとめ
ハローワークといえば失業時に関わりのあるイメージですが、雇用保険の被保険者であれば高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付、教育訓練給付など失業保険以外の給付もあります。また、要件によっては退職して新たに就職すれば、高年齢再就職給付金が受給される場合もあります。
高年齢雇用継続給付に関しましては、令和7年から新に60歳となる高年齢労働者への給付は給付率を半分程度に縮小していくとの案があり、状況もみつつ廃止も含めて検討していくようです。
参考*厚生労働省のHP 雇用保険部会報告(案)
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