同じ1000万円の利益を、
年を分けて売却したら、税金の節税になるのか、検討しました。
利益が出るのは、そもそも売却した年の合算利益です。
1/1~12/31の間、
何回も繰り返し売買していても、
計算されるのは売却した年の利益が雑所得となります。
取得価格は総平均法で計算されます。
詳しくは以前のHPをご覧ください。
暗号資産(ビットコインなど)を売却した場合の税金の計算 | ★アラフォー女性がより輝ける未来づくりFP☆ (kiyoko-blog.com)
さて、同じ1000万円の利益を年で分散した場合
所得税と住民税の額にどれだけの開きがあるのでしょう?
★1年間、売った合計の利益が1000万円出た場合
★1年目で500万円利益、2年目で500万円利益に分かれた場合
★1年目で700万円利益、2年目で300万円利益に分かれた場合
この3つのパターンで比較してみました。
国民健康保険は、
自営業などの国民健康保険の方は、所得によって変動しますので追記してあります。
健康保険は、介護保険も含んだ額です。(40~65歳の方の場合)
★1年間、売った合計の利益が1000万円出た場合
1年間
所得控除がありますが、基礎控除48万円のみ考慮して計算します。
1000万円 - 48万円 = 952万円
所得税(総合課税)
952万円 × 33% - 1,536,000 = 1,605,600円
住民税
1000万円 - 43万円 = 957万円
957万円 × 10% = 957,000円
国民健康保険料
下記の早見表より参照
市町村によって税率は異なります。
977,310円
所得税+住民税 = 2,562,600円
所得税+住民税+国民健康保険料= 3,539,910円
★1年目で500万円利益、2年目で500万円利益
1年目
所得控除がありますが、基礎控除48万円のみ考慮して計算します。
500万円 - 48万円 = 452万円
所得税(総合課税)
452万円 × 20% -427,500 = 476,500円
住民税
500万円 - 43万円 = 457万円
457万円 × 10% = 457,000円
国民健康保険料
市町村によって税率は異なります。
507,770円
1年目小計
所得税+住民税 = 933,500円
所得税+住民税+国民健康保険料= 1,441,270円
2年目
1年目と同様
2年目小計
所得税+住民税 = 933,500円
所得税+住民税+国民健康保険料= 1,441,270円
合計
所得税+住民税 = 1,867,000円
所得税+住民税+国民健康保険料= 2,882,540円
★1年目で700万円利益、2年目で300万円利益
1年目
所得控除がありますが、基礎控除48万円のみ考慮して計算します。
700万円 - 48万円 = 652万円
所得税(総合課税)
652万円 × 20% - 427,500 = 971,800円
住民税
700万円 - 43万円 = 657万円
657万円 × 10% = 657,000円
国民健康保険料
市町村によって税率は異なります。
735,170円
1年目小計
所得税+住民税 = 1,628,800円
所得税+住民税+国民健康保険料= 2,363,970円
2年目
所得控除がありますが、基礎控除が48万円のみ考慮して計算します。
300万円 - 48万円 = 252万円
所得税(総合課税)
252万円 × 10% - 97,500 = 154,500円
住民税
300万円 - 43万円 = 257万円
257万円 × 10% = 257,000円
国民健康保険料
市町村によって税率は異なります。
280,370円
2年目小計
所得税+住民税 = 411,500円
所得税+住民税+国民健康保険料= 691,870円
合計
所得税+住民税 = 2,040,300円
所得税+住民税+国民健康保険料= 3,055,840円
まとめてみると
★1年間、売った合計の利益が1000万円出た場合
所得税+住民税 = 2,562,000円
所得税+住民税+国民健康保険料= 3,539,310円
★1年目で500万円利益、2年目で500万円利益
所得税+住民税 = 1,867,000円
所得税+住民税+国民健康保険料= 2,882,540円
★1年目で700万円利益、2年目で300万円利益
所得税+住民税 = 2,040,300円
所得税+住民税+国民健康保険料= 3,055,840円
★1年目で500万円利益、2年目で500万円利益の税金が、、一番抑えられました。
やはり、
金額が高額になると、所得税の累進課税が響いてくるのでしょうか。
それなら、
3年で均等に均した方が、
2年で500万円ずつより、税金が抑えられるのでしょうか?
★1年目で333万円利益、2年目で333万円利益、3年目で334万円利益
1年目
所得控除がありますが、基礎控除48万円のみ考慮して計算します。
333万円 - 48万円 = 285万円
所得税(総合課税)
285万円 × 10% - 97,500 = 187,500円
住民税
333万円 - 43万円 = 290万円
290万円 × 10% = 290,000円
国民健康保険料
市町村によって税率は異なります。
325,850円
1年目小計
所得税+住民税 = 477,500円
所得税+住民税+国民健康保険料= 803,350円
2年目
所得控除がありますが、基礎控除48万円のみ考慮して計算します。
333万円 - 48万円 = 285万円
所得税(総合課税)
285万円 × 10% - 97,500 = 187,500円
住民税
333万円 - 43万円 = 290万円
290万円 × 10% = 290,000円
国民健康保険料
市町村によって税率は異なります。
325,850円
2年目小計
所得税+住民税 = 477,500円
所得税+住民税+国民健康保険料= 803,350円
3年目
所得控除がありますが、基礎控除が48万円のみ考慮して計算します。
334万円 - 48万円 = 286万円
所得税(総合課税)
286万円 × 10% - 97,500 = 188,500円
住民税
334万円 - 43万円 = 291万円
291万円 × 10% = 291,000円
国民健康保険料
市町村によって税率は異なります。
325,850円
3年目小計
所得税+住民税 = 479,500円
所得税+住民税+国民健康保険料= 805,350円
合計
所得税+住民税 = 1,434,500円
所得税+住民税+国民健康保険料= 2,412,050円
まとめ
★1年目で500万円利益、2年目で500万円利益
所得税+住民税 = 1,867,000円
所得税+住民税+国民健康保険料= 2,882,540円
★1年目で333万円利益、2年目で333万円利益、3年目で334万円利益
所得税+住民税 = 1,434,500円
所得税+住民税+国民健康保険料= 2,412,050円
3年で均して利益を確定させた方が税金は低くなりました。
1000万円の利益は
1年で利益を確定する場合と、3年で均す場合とで、
なんと、
100万円以上の差額があります。
★1年間、売った合計の利益が1000万円出た場合
所得税+住民税 = 2,562,000円
所得税+住民税+国民健康保険料= 3,539,310円
★1年目で333万円利益、2年目で333万円利益、3年目で334万円利益
所得税+住民税 = 1,434,500円
所得税+住民税+国民健康保険料= 2,412,050円
★1年間一括売却益と3年間均して売却益の差額
所得税+住民税 = 1,127,500円
所得税+住民税+国民健康保険料= 1,127,260円
数年に分けて売却した方が得策でしょう。
しかし、
相場があるので、
税金ばかりに目がいけば相場を逃がしてしまいます。
頭の片隅には入れておいてほしい情報です。
また
所得が2,400万円以上になると基礎控除が48万円から減額すること、
国民健康保険料は満額があるので、
参考例だと所得1040万円以上なら99万円なので
もし、2000万円利益でも、国民健康保険料は一定の99万円となります。
国民健康保険を納付している方は
住まいの市町村をチェックしてみてはいかがでしょう。
そして、
分割できそうならば、
計画的に売却するのもいいでしょう。
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