贈与にはいろんな種類があります。
単に普通の贈与(暦年課税)をすれば、納税額が高額になる可能性もあります。
受贈者(もらう人)
贈与者(あげる人)
との関係や年齢、
または贈与の使い道に
あてはめて、贈与することをおすすめします。
贈与の種類を知って資産移動しておくこともこの先、相続が円滑になることにもつながります。
相続の現在100人に8人の方は、納税しているようです。
相続税を払う人はどれくらいいる?|公益財団法人 生命保険文化センター (jili.or.jp)
事前に贈与しておくことで回避できる可能性もあります。
そもそも贈与とは、
自分の財産を無償で相手方に与える“意志”を表示し、
相手方がこれを“受諾”することによって成立する契約です。
贈与契約は口頭でも成立します。
さて、贈与の種類について紹介します
暦年課税
これが、一般的な贈与となります。
その年の1月1日から12月31日までの
贈与によって取得した財産の価額の合計額から
基礎控除額(110万円)を控除した額に、
10%から55%までの税率により計算されます。
税率の摘要にあたっては、
特例贈与財産・・18歳以上のものが直系尊属(父・祖父母)から贈与を受けた財産
令和4年3月31日以前の贈与については20歳
一般贈与財産・・その他
によって税率が違います。
贈与税の計算と税率(暦年課税)
No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁 (nta.go.jp)
特例贈与財産の方が税率は低くなります。
基礎控除110万円までは非課税なので
“毎年定期的に110万円贈与する”ということもできますが、
贈与税の非課税枠での贈与は税金逃れだと認定されれば、
合算して贈与したことと同じになることがありますので、注意が必要です。(定期贈与といいます。)
また、贈与者に相続が発生した場合は、3年分は遡って相続財産に加算されることにになります。
相続時精算課税制度
贈与した年の1月1日
贈与者 60歳以上の親・祖父母
受贈者 18歳以上の直系卑属である(子など)推定相続人および孫
令和4年3月31日以前の贈与については20歳
贈与回数に制限はなく、贈与者ごとに累計で2500万円に達するまで
特別控除額として控除することができます。
2500万円を超えた場合は、一律20%の贈与税がかかります。
相続時精算課税制度を使用するには、
相続時精算課税選択届出書を提出します。
1度提出すると撤回することはできず、暦年課税へ戻ることができません。
名のとおり、相続時に精算される贈与です。
贈与者が死亡時に贈与した財産を
相続財産と合計した金額をもとに相続税を計算し、納付した贈与税があればその相当額が差し引かれ納付額となります。
相続時精算課税制度を適用した財産は、
受贈者が、相続や遺贈(遺言によるもの)により財産を取得していなくても
相続税の課税対象となります。
小規模宅地等の評価減(居住用などは一定の軽減がある。)は適用できず、
相続税の物納財産(相続税の納付が難しいときに物納を選択すること)とすることもできません。
この制度は慎重に選択しなればいけません。
贈与した時の時価が相続時の課税額になるので、
もし相続時に時価が下落していれば、
その時価の差額分の相続税額が増えます。
逆の可能性ももちろんあります。
相続時精算課税制度を選択するには、情勢を考慮する必要もあります。
直系尊属から住宅資金等の贈与を受けた場合の贈与税の非課税
直系尊属(父母・祖父母等)からの住宅取得等資金の贈与をうけた受贈者が
贈与を受けた年の翌年3月15日までにその住宅取得等資金の贈与を受けた場合
一定額が非課税となります。
暦年課税、相続時精算課税制度いずれも併用することができます。
贈与した年の1月1日
受贈者 18歳以上の直系卑属である(子・孫など)
令和4年3月31日以前の贈与については20歳
贈与年の合計所得金額が2000万円以下
非課税額
・住宅家屋の新築等に係る額に含まれる消費税が10%の場合
2020年4月~2021年12月
(良質な住宅家屋) 1500万円
(それ以外の住宅家屋)1000万円
・上記以外
2020年4月~2021年12月
(良質な住宅家屋) 1000万円
(それ以外の住宅家屋) 500万円
2022年1月~2023年12月
(省エネ等住宅家屋) 1000万円
(それ以外の住宅家屋) 500万円
No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税|国税庁 (nta.go.jp)
直系尊属から教育資金等の贈与を受けた場合の贈与税の非課税
金融機関との間で締結した教育資金管理契約に基づき直系尊属(父母・祖父母等)からの
教育資金等資金の贈与をうけることができます。
暦年課税、相続時精算課税制度いずれも併用することができます。
教育資金管理契約時
受贈者 30歳未満の直系卑属である(子・孫など)
贈与年の前年合計所得金額が1000万円以下
非課税額
受贈者1人につき 1500万円まで(そのうち学校以外に支払う教育資金は500万円)
また、贈与者に相続が発生した場合は、3年分は遡って相続財産に加算されることに
なることになりますが、下記の場合は除かれます。
(受贈者)
・23歳未満
・学校に在学中
・教育訓練給付金の対象となる教育訓練を受けている
No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税|国税庁 (nta.go.jp)
直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税
金融機関との間で締結した結婚・子育て資金管理契約に基づき直系尊属(父母・祖父母等)からの教育資金等資金の贈与をうけることができます。
暦年課税、相続時精算課税制度いずれも併用することができます。
結婚・子育て資金管理契約時
受贈者 18歳以上50歳未満の直系卑属である(子・孫など)
令和4年3月31日以前の贈与については20歳
贈与年の前年合計所得金額が1000万円以下
非課税額
受贈者1人につき 1000万円まで(そのうち結婚資金は300万円)
また、贈与者に相続が発生した場合は、3年分は遡って相続財産に加算されることになることになります。
No.4511 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税|国税庁 (nta.go.jp)
贈与税の配偶者控除
戸籍上の婚姻期間が20年以上である配偶者から居住用不動産(土地・家屋)
または居住用不動産を取得するための金銭の贈与をうけることができます。
居住要件
居住用不動産(または居住用不動産を取得するための金銭)の贈与を受け
(またはその金銭で居住用不動産を取得)翌年3月15日までに贈与を受けたものの
居住の用に供し、その後も引き続き居住用に供する見込みであることが必要です。
非課税額
最高 2000万円まで
暦年課税の基礎控除110万円も控除できるので併せて2110万円まで非課税となります。
まとめ
そもそも生活費は贈与になりません。
夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために
所得した財産で生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるものに
限られますが、使途がはっきりいていれば贈与税はかからないです。
それ以上の贈与する場合に上記の種類があります。
各々、贈与税の申告書の様式も違うので注意しましょう。
申告期限は、確定申告と同じく翌年の2月1日から3月15日までとなっています。
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