子供がいないと夫婦で築きあげてきた財産はいったいどうなるのだろうと、
ふと考えることもあるかと思います。
もし、親がいなければ、法定相続人は、配偶者と兄弟姉妹になります。
・被相続人(亡くなった方)=(Aさん)
・配偶者=(Bさん)
・被相続人(Aさん)の兄弟=(Cさん)
法定相続分は、Bさんが3/4、Cさんが1/4となります。
仮に・・・。
Aさんが亡くなったとき、これからの生活もあるのでCさんが相続放棄をして、配偶者のBさんが全額相続しました。
それから数年後、Bさんが亡くなりました。
相続は、全部Bさんの兄弟姉妹に相続されることになります。
AB夫婦の兄弟姉妹がお互い平等に相続しているなら問題はないのかも知れませんが、
Aさんが先立てば、Bさんの兄弟姉妹もしくは甥、姪が全額相続することになります。
実際、AB夫婦の兄弟同士は普段、連絡とることもないでしょう。遠方の可能性もあります。
冠婚葬祭に顔を合わすくらいで場合によってはAB夫婦の結婚式以来、数十年顔を合わせていない場合もあります。
仮に兄弟姉妹がなくなっていれば、甥、姪となりますので余計に疎遠です。
これからそういう形態は増えてくると思います。
Aさんは事業で成功し、内助の功であった専業主婦BさんがAさんを支えてきました。
Cさんからしてみれば自分の兄弟Aさんが築いた財産をもらう権利があるとおっしゃるかも知れませんね。
もしAさんが亡くなった頃にくらべ生活環境が変化しお金に困っていたりすれば、余計にそういう気持ちは大きくなるかもしれません。
残された兄弟の立場から書きましたが、被相続人の想いもよらないいざこざが起きたとすれば辛いですね。
Aさん自身もCさんへ残しておきたかったかも知れません。
でも現在の法律はそのようになっているのですからどうしようもありません。
では、どうすればよいのでしょうか?
やはり、Aさん、Bさん、AB夫婦が誰にどれだけ、財産を残しておきたいのかをじっくり考えるのが一番です。
今、思い浮かんだ生前に考えておくことを記載しました。
- 健在な時に遺言を書いておく。
記載方法や保管方法、遺言の種類もありますので遺言自体が無効にならないようにちゃんと調べたうえで作成した方がいいです。 - 生前中に贈与をする。
贈与は金額によっては贈与税がかかります。
- 自分より年下であれば養子にする。
法律上、どちらの法定相続人にもなれます。これは案の一つとして挙げましたが実務ではあまりないかと思います。
- 保険金の受取人を残しておきたい法定相続人へ変更しておく。
受取人は配偶者が多いかも知れませんが、金銭的余裕があれば兄弟に変更しておく。
変更できる血縁者の範囲は保険会社により違うようです。
- 信託銀行などへ信託の手続きをしておく。
詳細については専門家に相談された方がいいかと思います。
まとめ
普段、健康な時は自分の死に対して無縁かもしれません。
でも健康な時こそ、じっくり考える時間を持つことは有効だと思います。
遺言書は、変更も可能です。
直近の遺言書が有効になりますので今、現状で自分はどうしたいのか、
また財産の把握することで自分と周囲の人たちを冷静に見つめなおす時間を持つことができると思います。
兄弟以外にも財産を残しておきたい人がいれば、上記の方法で同じように考えてみてもいいでしょう。
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