暗号資産(ビットコインなど)を売却した場合の税金の計算

税 金

そもそも暗号資産(仮想通貨)とは何でしょうか?

暗号資産(仮想通貨)の種類のなかにビットコインがあると聞けばなんとなくイメージできるかもしれません。

暗号資産(仮想通貨)とは、インターネット上でやりとりできる財産的価値で、法定通貨(円やドル)ではない通貨です。

ビットコインは数年前に大暴落しましたが、徐々に上昇しておりここ数ケ月で最高値を更新しています。これから先も上昇するのではないかという専門家もおり目が離せない状況です。(令和2年12月現在)

今、ビットコインを手にしている方も増えてきているのではないでしょうか?

さて、この先暗号資産(仮想通貨)を売却した場合どれだけ税金がかかるのでしょうか?

暗号資産を売却したら?

暗号資産を売却すれば、所得税のなかでも雑所得として取り扱いされます。

通常、株の取引は譲渡所得で売却額から購入金額や支払手数料などを差し引いた売却益に対して20.315%税金がかかってきます

これは申告分離課税といい、他に給料や年金があっても合算することはせずに一律で20.315%の税金がかかってきます。

余談にはなりますが、

専業主婦の奥さんが申告分離課税「特定口座」「源泉徴収あり」を証券会社へ申請していれば、

証券会社で売却益が計算され税金が差し引かれて証券口座へ入金されます。

確定申告をしなくても、証券会社の中で税金の納付は終えているので完結しています。

株の譲渡益があっても旦那さんの扶養にはいることが出来ない!!って心配はいりません。

ただし、「特定口座」「源泉徴収あり」の申請が証券会社で必要です。

本題に戻りますが、暗号資産は雑所得なので総合課税です。

総合課税とは全部合算して申告するということです。

給料も年金も不動産所得もまとめた所得の額に対して税率が課せられます。

38万円以上利益があれば、旦那さんの扶養には入れません。

暗号資産の税率が高いから売ることが出来なくて持ち続けて大暴落してしまったという方もみえます。

果たして本当に暗号資産の税率は本当に高いのでしょうか?

結論から言えば、暗号資産の利益の額によって税率は違ってきます。

総合課税なので、給料や年金と同じ税率なのです。

当時、税金が高くて売れなかったという方は利益がそれなりにあったからです。

所得税の最高税率は45%です。

その利益は4,000万円以上です。

税金半分持ってかれる!っというのはここに所以します。

住民税が10%なので足せば55%。

ただし累進課税なので徐々に税率が上がっているということですので、4000万×45%ではないです。

4000万円だと 4000万×45% - 4,796,000 = 13,204,000円

住民税 4000万 × 10% = 4,000,000

ざっくりですが、併せて 17,204,000円となります。(所得控除は考慮していません。)

確かに半分くらいですね。

No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁 (nta.go.jp)

仮に100万円利益が出たら?

100万 × 5% = 5万円

株の売却益より安いですよね。他に所得がないと仮定した場合の話しですが・・。

たとえば、株のように20%の税率になるのは330万円から700万円弱の利益です。

(復興特別所得税は加味していません。)

累進課税なのでばっちり20%ではありません。

しかも所得控除を差し引いた額となります。

所得控除とは、基礎控除なら48万円、あと社会保険料控除、生命保険控除、医療費控除などの経費を差し引くことができる額です。

何も控除がなくても基礎控除48万円は誰でも付されるので

740万円利益が出ても基礎控除の48万円を控除した 692万円 × 20% - 427,500円 = 956,500円です。

割り戻せば税率13%程度です。(所得税のみ)

暗号資産を大量に保有している方なら税金が利益の半分になる可能性もありますが、

700万円も利益がなければ総合課税の方が税率は低いです。

もちろん保有数によりますがそれほど税率が高いという感じはないと思います。

たくさん売り買いしていたら取得費の計算はどうすればよい?

購入した数量をそのまま全部売却したのなら簡単に計算できますが、買ったり売ったりを繰り返し年末現在に保有していれば、取得費はいくらになるのでしょうか?

購入金額である取得費には計算方法として総平均法と移動平均法があります。

個人が売買して、棚卸届出書を税務署に提出していない場合には総平均法になるので

ここでは総平均法を説明します

総平均法は、期首残の購入金額と今年の購入金額を足して数量当たりの単価を計算します。

売却した数量にその単価をかければ取得費となります。

例) BTCとはビットコインのことです。

   昨年 5BTC  70万  350万保有

   今年 1BTC 100万 100万購入

      2BTC 100万 200万購入

      3BTC  150万 450万購入

   足して全部で11BTC 1100万 ☆1BTCあたり 100万

  10BTC   250万 2500万 売却したのであれば、

  10BTC×100万=1000万 取得費となり

 暗号資産の利益

   2500万 – 1000万 = 1,500万

 来年 保有数量 1BTC 100万円となります。

他に取得費になるのは?

売却の際に支払った手数料は取得費になりますが、雑所得なので他に直接的にかかった経費があるならばそれも差し引くとこができます。

たとえば、暗号資産なのでパソコン、スマホ、インターネット回線などはもちろん必須です。

こちらも必要経費として経費と認められます。

暗号資産の売却だけのためだけにパソコンを購入されたのであれば全額経費となりますが、

普段ネット、電話、LINEなど暗号資産以外の用途で使用していることが多いと思います。

暗号資産の売却のために必要な支出分となる何%かは経費となります。

もしパソコンが10万円以上であれば青色申告者以外の方は減価償却費として耐用年数で分割で経費として計上しなければいけません。

青色申告者であれば30万円未満は経費となります。

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まとめ

これから円通貨がどうなるかも不安ですが、ドルまでもどうなるのか分からない時代になってきました。

世界のパワーバランスまで崩れてきています。

他国では経済が破綻して自国の通貨に価値がなくなりビットコインに依存しているという国もあるようです。

数十年前まで現金で払うのが当たり前でしたが、クレジットカードが普及し、デビットカード、今はpaypayみたいな電子決済サービス、そしてウォレットともう現金を使わなくても支払いができる仕組みが当たり前になってきています。

世界中がもしかしたら法定通貨が消え、為替すらなくなり、みんながビットコインを持つような時代になるかもしれませんね。

税務的なことをいえば株と同じように譲渡所得になる可能性もあると思います。

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