BATICとは、簿記と英語を両方兼ね備えた東京商工会議所主催の試験です。
現在、仕事内容・仕事のやり方・雇用状態まで、仕事に対する考え方などの幅が広がっています。
在宅勤務が増えリアルな事務所ではなく、家に居ても世界中の人と仕事ができる環境にあります。
日本に限らず、世界を相手に仕事ができるのです。
ビジネスマンにとって、英語・会計・ITは強い戦力となっています。
そこで英語と会計を兼ね備えた試験について
BATIC(バティック) とは、どんな試験なのか?
私が試験を受けた経験から説明したいと思います。
今までBATIC(バティック)は、
会社に海外支店がある経理担当の方が、決算書を読めるように試験に挑戦、
また、BATIC(バティック)から国際会計士を目指すなど、
上位試験のために受験している方も多かったのではないでしょうか。
現在は上記に加えて、
直接、海外の会社や個人と結びつくことも大いに可能になりました。
この試験はこれからもっと資格者が増えると個人的には思っています。
国内の試験なので国際的には通用しませんが、英文簿記の仕事を始めるための入口としては、有効だと思います。
さて、そんなBATIC(バティック)が、2021年から試験内容が変更となりました。
一番の変更点は、インターネット経由での試験です。
申込方法から、インターネット受付のみになっています。
IBT試験といいます。
更に試験日が、選べます!
試験日は、申込時に空いている日程を選ぶことができます。
そして、試験時間も選べます。
インターネット試験により、試験官が少人数の方が、試験者を監視しやすいためだと思います。
【例】
(平日)10:30、11:00、11:30、13:15、13:45、14:15、15:15、15:45、16:15
(土日祝日) 10:30、11:00、11:30、13:15、13:45、14:15、15:00、15:30、16:00、16:30と選択肢は複数あります。
さて、試験範囲です。
今まで、Subject1(英文簿記)とSubject2(国際会計理論)に分かれていましたが、
2021年からはSubject1(英文簿記)とSubject2(国際会計理論)の一部が加わっています。
ほとんど、Subject1(英文簿記)の試験です。
下記が試験範囲です。
1.Basic Concepts of Accountingand Bookkeeping (会計と簿記の基本概念)
2.Transactions and Journal Entries (取引と仕訳)
3.Journal and Ledger (仕訳帳と元帳)
4.Trial Balance (試算表)
5.Adjusting Entries (決算修正仕訳)
6.Accounting for Inventory and Cost of Sales (棚卸資産と売上原価の会計処理)
7.Worksheet and Closing Entries (精算表と締切仕訳)
8.Financial Statements (財務諸表)
9.Basic Assumptions and GAAP (基本的な前提とGAAP)
10.Financial Statement Analysis (財務諸表分析)
11.Internal Control (内部統制)
12.Cash Control (現金管理)
13.Accounting for Assets and Liabilities (資産と負債の会計処理)
※13. Accounting for Assets and Liabilities (資産と負債の会計処理)が追加となります。
主に社債の発行、無形固定資産、有形固定資産売却です。
以前、Subject1(英文簿記)だけを受験したことがある方にとっては、少し難易度が増します。
認定基準は、得点に応じて称号を付与されます。
初級レベル(50%) ・・・Entry
中級レベル(80%) ・・・Middle
上級レベル(90%) ・・・Advanced
認定基準も変更となりました。
合否ではなく、称号です。
400点満点なので200点未満であれば、称号は与えられません。
試験時間
70分
今まで90分の試験時間が、70分と20分短縮により、
問題の内容が簡素化されますが、私は、全く時間が足らなかったです。
90分あれば全問ゆっくりと解けることができたと思います。
出題方法
英文簿記で、全文英語での質問です。
多肢選択問題が35問と、記述問題が3問です。
多肢選択問題は、マウスなどを使って選択します。
記述問題は、ドロップダウンリストからの選択と、計算後の数字入力でした。
この記述問題が想像以上に時間を有し、計算途中で終了しました。
試験時間は、画面の上部の真ん中にカウントダウンされます。
終了時間に画面が一変し、終了画面となります。
そしてまさかの採点された画面に移行することができます。
点数結果が終了後にすぐに確認できたのは、衝撃でした。
実際の採点は、数週間後に試験中の録画された画面なども確認したのち、発表されるようです。
試験日の持ち物
・身分証明書(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど、第三者機関発行で原則として氏名、生年月日、顔写真が揃って確認できるもの)
・電卓(関数電卓・プログラム機能は除く)またはそろばん
・計算用紙(両面白紙・A4サイズ以内・1枚限り)
・計算用紙記入用の筆記用具(1本限り)
試験前に、カメラにて試験官とのやりとりがあります。
身分証明書の提示、部屋を360度確認、持ち物の電卓なども提示
試験20分前から、このやりとりがありますが、終了すれば即、試験が始まりました。
やりとりは5分くらいだったと思います。
注意点
受験サイトに最初に登録しておき、動作環境などは必ずやっておくべきです。
受験サイトから、受験します。
IDとパスワードはメモっておきましょう。
試験官とのやりとりの前に注意書きの画面が出るので、しっかり読んでから次のタブに進んでください。
まとめ
簿記 < 英語 ?
英語 < 簿記 ?
どちらかといえば、簿記を知っている方が有利です。
簿記は3級程度で大丈夫だと思います。英語はTOEIC500点程度あれば十分だとのことです。
私はTOEICを受けたことがないので英語レベルはいまいちわかりませんが、
英単語の会計用語を覚えることと、全文質問が英語なので、会計用語だけでは解くことはできません。
しかし、質問の英単語が完全に分からなくても、どうにか知っている英単語をつなげれば質問したい意図は分かります。
問題集に出てくる英単語を把握するのが、一番の近道だと思います。
試験の前日に旧BATIC試験の模擬試験をしました。試験時間が90分のところ、60分で解けました。
そして試験当日の採点は、前日模試試験に比べ400点満点中100点も減点でした。問題内容にもよりますが、時間さえあれば50点減点くらいだったと思います。
旧BATICを受験された方は参考にしていただければと思います。
やはり、紙の試験の方が記載しやすいです。計算用紙に記載するにも、白紙の左上から記入しましたが、焦っていて整然としていなかったです。紙だと問題用紙と計算用紙を左右に置いて記載するのですが、マウスがあるのでパソコンの手前に紙を置いて記載、これがパソコンから紙に目を移すのにも時間を要しました。
紙は消去法で答える場合は、チェックやバツなどで鉛筆で記入したりしますが、一切できないので間違わないように慎重にしていたので1問答えるにも時間がかかりました。
あとは、途中で間違っていることに気づき前問に戻ることはできますが、数ページ前に戻る場合に、怖くてマウスを早く連打できませんでした。もしかして、画面が固まったらどうしよう?と頭によぎったからです。ゆっくり”前へ”を何回も押しました・・。ちなみに1問1画面です。それだけでも紙より時間かかりますが、時代はペーパーレスです。
このような試験がこれから増えるでしょうね・・。
コメント