もし上場株式などの譲渡所得に損失がある場合、
翌3年間その損失を繰り越すことができ今期の譲渡益に充当することができます。
いわゆる損益通算というものです。
損益通算があると利益が出ても税金が戻ってくるので是非、確定申告された方がお得です。
ただし翌3年繰越控除を受ける場合は、
売却しない年があっても毎年確定申告をしなければいけません。
しかし、
確定申告をすると所得税は還付されますが、市区町村(住民税)へ自動的に申告することになるため
市区町村での所得計算から算出される保育料、国民健康保険、後期高齢医療費などを過大に払うケースがあります!
そんな方は安心してください。
住民税は“申告不要”にすることができます!!
繰越損失の確定申告をする
証券会社で特定口座を開設して「源泉徴収あり」と申告していれば、
自動的に申告不要制度を選択するので、わざわざ申告しなくてもいいのですが、
もし損失があるならば、3年間の繰越控除制度を利用した方がいいでしょう。
証券会社で今年の損失は利益と相殺して計算してくれますが、
トータルで損失になった場合は、翌年については繰越してもらえません。
また複数の証券会社で売買している場合は、1つの証券会社で損失が出てしまい、
他の証券会社で利益が出ていれば、合算して申告すれば税金が戻ってきます。
税務署へ申告をして所得税は還付され、思いもよらぬ収入が増えて嬉しいのですが、
該当する方は市区町村で住民税の確定申告の計算が残っていますので忘れないでくださいね。
確定申告をしたら税務署から市区町村へ申告情報がいくので申告は不要だよ!
何言っているの?
確かにそうなのですが、そのまま申告情報がいくと税務署では、所得税が戻ってきても
市区町村では、もともと申告不要制度でゼロであった所得が申告されたことによって余分に払うことになるかも知れません。
余分に払うことになるのは、
例えばフリーランスの方など国民健康保険の所得割で加算されるので多く納付することになるかもしれません。
どういうこと?
例にとって説明します。
去年までの繰越損失が70万円
今年の譲渡利益が100万円
ざっくりですが、上場株式の売買で特定口座「源泉徴収あり」を選択していると
所得税15%、住民税5%の合計20%が税金として差し引かれます。
(復興所得税を含め20.315%ですが、計算をわかりやすくするために省いていますが、本来はかかります。)
100万円×15% = 15万円(所得税)
100万円×5%=5万円(住民税)
合計20万円となります。
しかし、繰越損失があると
譲渡利益100万-去年までの繰越損失70万=30万円
30万円に対して税金が課せられます。
30万円×15% = 4.5万円(所得税)
30万円×5%=1.5万円(住民税)
所得税なら
15万 - 4.5万 = 10.5万円税金が戻ってきます。
*もし他に所得が38万円ない場合は、15万円まるまる戻ってきます。
(このことについては別ブログに掲載予定です。)
この申告書が市区町村へ自動的に提出されるのすが、
市区町村では、繰越損失を計算する前の所得100万円か、損益通算後の所得30万円で
所得計算されます。
どの部分の所得で申告かは市区町村へ問い合わせた方が確実です。
譲渡損失を埋めるためにせっかく申告したのにこれでは何しているのか?
特定口座「源泉徴収あり」で申告しなければ知られることもなかったから、
申告しない方がよかったのか?
糠喜びじゃねーか!
逆に支払いが増える可能性もありますよね・・・。
市区町村へ“確定申告不要”とする申告をします。
安心してください。
手間ですが、市区町村へも申告書を提出してください!!
税務署(所得税)→ 確定申告
市区町村(住民税)→ 確定申告しないことにする!
市区町村では、確定申告しなかった状態に戻すことができます。
税務署で申告したことを市区町村では、結局申告しなかったという申告書を再度提出するんです。
私の居住市役所
・確定申告をしてからその書類を持参、直接市役所へ出向き県民税申告書を記入(株の所得はゼロとして記入)
・申告書と別に附票として課税方式選択用紙を記入。
(課税方式を申告不要を選択するだけの簡易な書類)
現在、その様式はHPからは取得できないとのことでした。
まとめ
サラリーマンの方のように市区町村に関連する納付が住民税だけという方は、
税務署で確定申告をしておけば住民税も損益通算で計算されますので市区町村へ“申告不要”とする必要はありません。
住民税の損益通算分と健康保険などの納付とのどちらが節税になるかっという選択になるのです。
市区町村へ“申告不要”の提出必要があるとおもわれる方は、
フリーランスなどで国民健康保険の方、年金生活者で後期高齢者医療保険料や介護保険料を納付されている方、失業中の方などです。
個々の市区町村により違いますので直接問い合わせされた方が確実です。
特に年金生活者の方は保険料が増えることもそうですが、
一定の額を超えてしまうと窓口に支払う医療費の自己負担額自体が1割負担から3割負担になる可能性もあるので慎重にされた方がいいと思います。
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